水耕栽培は、天候を気にせず室内でも可能な水と液体肥料を使った栽培方法で、
庭や畑いらずで初めての人でも手軽にできるのが特徴です。
キッチンや窓際で楽しむ人も増えてきていてSNSでも結構見かけるようになりました。
今回は水耕栽培しやすい野菜と水耕栽培の方法、メリット&デメリットなどについて解説したいと思います。
水耕栽培とは?
水耕栽培(ハイドロポニックス)は、水に液体肥料を混ぜた水溶液で植物を育てるやり方をいいます。
広い言葉では養液栽培ともいいます。
畑や花壇などの広いスペースがなくても育てられるため室内管理もしやすく、季節も気にせず行えるのが魅力です。
企業だけでなく、園芸に興味をもつ個人の間でも人気が高まっています。
そんな水耕栽培の歴史は結構古く、始まりは古代エジプトの頃といわれていて、土壌の代わりに水を使った育て方は当時から行われていました。
ただ、なぜ植物が水で育つのかまでは判明していませんでした。
この答えを見つけたのは、ザックスというドイツの植物学者で、ザックスは栽培(発芽や植物ホルモン)に関するさまざまな研究を行い、1930年に入ると研究はさらに加速。
現在の元となる水耕栽培技術を確立し、日本には第二次世界大戦の真っ只中に水耕栽培が始まりました。
そんな歴史ある水耕栽培は、個人で楽しむ程度なら100均の材料でも十分可能なのもうれしいところ!
初めての人でも難しくないなので、作りやすい野菜からぜひチャレンジしてみてください。
水耕栽培の方法
水耕栽培のやり方は複数あります。
メジャーなのは根を水溶液につけて成長させるやり方、さらにそれを発展させて、水をポンプで流しながら育てるやり方の2つです。
根を水溶液につけて育てる場合は、水を入れられる容器と液体肥料、土の代わりに使う培地(スポンジで可)などが必要で、育てるときの注意点は、「根腐れ」。
根を全部水につけてしまうと、根が酸素を吸えなくなり根腐れしてしまうんですね。
必ず、水から少し根のつけ根部分を出しておくのがポイント!
エアーポンプがあると、水中から酸素を与えられるため役に立ちます。
もう一つは、ポンプで水に流れを作ったり、水を入れた容器を傾けて流したりするやり方!
こうすることによって、水中に含まれる栄養素を、全体に行き渡らせることができるんですね。
プランターのような少し大きさのある容器で、たくさん育てている場合に効果的な方法ではないでしょうか。
水耕栽培はキット?自作?
キットを購入すると必要な道具が一通り揃っているので、すぐに栽培可能なのが特徴。
一方、自作だと品質管理をするのが少し大変なときもありますが、好きな容器で栽培できるといった楽しみ方もあります。
最初は自作で試してみて、慣れてきたら設備を整えて本格的に挑戦というのもいいかもしれませんね。
水耕栽培で野菜を育てるメリットとデメリット
土壌を使わずに水と液体肥料を使った育て方のメリットとデメリットにはどんなものがあるのか?
この項目では、メリットとデメリット、それぞれについてチェックしていきます。
水耕栽培のデメリット
まずはデメリットについてご紹介します。
- 環境設備を揃えるのにお金がかかる
デメリットはお金の問題です。
といってもこれは、全ての人に当てはまるわけではないので注意。
企業が工場で大規模に栽培したりエアポンプやLEDなどの機材を揃えたりしだすと、それを維持するのにお金がかかるという話です。
たとえば、LEDライトは太陽光の代わりにLEDライトの光を植物に当てるのに使いますが、一般的なLEDライトではないんですよね。
育成に適した波長を出せるものが必要だったりします。
その商品1つとっても、それなりの物を選ぼうとすると決して安くはなく、エアポンプやサーキュレーターも買うと、さらにお金がかかります。
「栽培環境を整えたい!」と考えている人は、「結構お金がかかるんだな」と頭の片隅にいれておきましょう。
もちろん、お金をかけずに育てることも可能です。
ただ、しっかり管理されたもののほうが質は高くなるのが悩ましい所です。
水耕栽培のメリット
つづいては、水耕栽培のメリットです。
- 野菜が病害虫に侵されにくい
害虫被害はほとんどありません。そのため農薬をかけなくても育てやすいのが魅力で、農薬の心配をしなくていいのは、虫嫌いにもいいところ!
- 土作りをしなくてすむ
なんといっても水と液体肥料しか使わないので、赤玉土に腐葉土を混ぜるなどの土作りが不要。
地植えで起こりやすい連作障害もないんですね。「本格的な栽培はちょっと・・・」という人でも、育てられるのは大きなメリットです。
- 栽培できる野菜の品質維持・管理が楽
室内で温度や湿度、風通しなどを管理できるので、野菜の品質管理も難しくないんです。
屋外は、天気や風の強さなど注意を払うことがたくさんありますが、それらを気にせず育てられるのが水耕栽培の利点でもあります。
- 畑や花壇がなくてもできる
栽培する場所は、畑や花壇ほど大きくなくても全く問題ありません。
好きなもので育てて鑑賞することもできるので、自分の環境にあわせて置くといいでしょう。
インテリアとしても重宝されたりしていますね。
水耕栽培で育てられる野菜の種類
水耕栽培で育てられる野菜は、葉物類やハーブ類が簡単。栽培期間が短い種類も多く、初めての人にも向いているのでおすすめです。まずは簡単な野菜から水耕栽培に挑戦してみるといいでしょう。ここでは、水耕栽培可能で初めての人でも栽培できる野菜をご紹介していきます。
ルッコラ
ルッコラは水耕栽培向きの植物で、バジルなどと比べると少し生長はゆっくりなルッコラ。大体1ヶ月半で収穫期の迎えます。のんびり育ててみたい人に適していますね。採れたルッコラは、サラダに混ぜたり炒めたりして味わってみるとおいしいですよ!
レタス
リーフレタス・サニーレタス・ベビーレタスなどのレタスは、どれも水耕栽培に最適。種から収穫までは1ヶ月半~2ヶ月ほどかかります。収穫できる期間が長いためじっくり観察できます。環境があえば一年中よく育つので、葉が大きくなったものや脇からでた葉から摘むと無限ループ完成。
長ネギ
長ネギは、種から育てるよりもお店で買ってきた根つきのものから栽培する(再生栽培・リポベジ)がおすすめ。捨てずに再利用するなんて手法もありなんですよね。
パクチー
ハーブの1つ、パクチーは、約1ヶ月で収穫可能。発芽するまでは約10日、長く収穫できるのが特徴。葉がわさわさと生い茂るため、定期的に脇芽を摘むと害虫被害を受けずに育てられると思います。
バジル
バジルはシソ科の植物で、ポリフェノールやカルシウムが多く含まれているので絶対食べようバジルソース!(笑)だいたい1週間で発芽して、2週間経つと根もしっかり育つ植物のバジル。1ヶ月ほどで収穫できる大きさまで育ちます。
水耕栽培で野菜を育ててみよう!
水耕栽培は、園芸に慣れていない人でもできるほど簡単で虫が沸きにくいのが魅力の1つ。
育てる野菜と育て方によっては、種からではなく購入した野菜で挑戦してみてもおもしろいです。
アボガドの種なんかも芽が出たりしますよ!
また、種は一般的に売られているもので問題ありません。
ぜひチャレンジしてみてください!