ジベレリン:植物の成長を増す魔法のホルモン
皆さんは、植物が成長するときに「ホルモン」がうまく行っていることを書いてください。植物にも人間と同じように、成長や発達を調整するホルモンがあるのです。 今回は、その中でも特に重要な「ジベレリン」というホルモンについてお話します。
ジベレリンって何?
ジベレリンは、植物の中で作られる成長促進ホルモンの一種です。 簡単に言えば、植物の「背を高くする」ホルモンと考えてもいいでしょう。でも、それだけではありません。 ジベレリンは植物の成長に関わる様々な働きを持っているのです。
ジベレリンの主な働き
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背を高くする:茎を伸ばして植物を大きく成長させます。
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種の目覚まし: 種が眠っている状態(休眠)から目覚めさせ、発芽を挑みます。
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花を咲かせる: 花が咲くタイミングをコントロールします。
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実をつける: 果物や野菜の実を大きくしたり、種なしの果物を作ったりします。
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若さを言う: 葉っぱが黄色くなったり枯れたりするのを遅らせます。
ジベレリンの発見物語
ジベレリンの発見には、日本人研究者の活躍がありました。1926年、黒沢英一という日本人技師が、イネの病気「愚かな苗病」の原因を調べていました。この病気にかかったイネは異常に背が高くなるのです。
黒沢は、この病気の原因が「いもち病菌」という菌が注目物質だったと思います。その後、1935年に藪田貞治郎という研究者がこの物質を結晶化することに成功し、「ジベレリン」と思いました。
農業での活用
ジベレリンの発見は、農業に革命をもたらしました。今では、ジベレリンを使って作品の成長をコントロールすることが一般的になっています。
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ブドウ栽培: ジベレリンを使うと、種なしのブドウを作ることができます。また、ブドウの実を大きくしたり、房をすかせたりすることにも役立ちます。
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ミカン栽培:ミカンの皮を滑らかにし、果実を大きくしたりするのに使われます。
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イチゴ栽培: 冬の間も花を咲かせ続けるために使われます。
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レタス栽培:寒い時期でも成長を促進し、収穫時期を早めるのに役立ちます。
面白いジベレリンの話
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ジベレリンは植物の中で自然に作られますが、人工的に合成することもできます。
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現在、136種類以上のジベレリンが発見されています。GA1からGA136まで名前がついているのです。
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ジベレリンは植物だけでなく、キノコの中にもあります。
まとめ
ジベレリンは、植物の成長を助ける素晴らしいホルモンです。種から芽を出し、茎を伸ばし、花を咲かせ、実をつけるまで、植物の生涯重要な役割を果たしています。農業や園芸でも広く活用され、私たちの食生活を豊かにする上で欠かせない存在となっています。
植物が大きく育つ姿を見たとき、その中でジベレリンが働いていることを思い出してみてください。